Q1・ビニール線の表記が第2章以降の部品表は「0.5VSFおよび0.3VSF」となっていますが、「VSF規格」が見当たりませんで「AWG-22」でも良いのでしょうか?

A1・結論から言うと、大丈夫です。

AWG-22は耐圧300Vと表記されていますが、オヤイデのこの電線は下記の様になっています。

 

http://oyaide.com/catalog/products/p-896.html

 

アメリカUL規格では300V、カナダCSA規格では600Vだそうです。

Q2

テスターの計測ですが、レンジの切り替えは「全て直流電圧測定レンジ」でよいのでしょうか?

A2・はい、その通りです

 

Q3

作れる!鳴らせる!超初心者からの真空管アンプ製作入門のテスターの電圧測定について教えてください。
82ページの図2.23、各部の直流電圧値として回路図と電圧値が記載されていますが、テスター棒の赤と黒を回路のどの部分に当てて計測すれば良いのか分かりません。

A3・まず、テスターの黒はシャーシーにつなぎます。それで赤い棒の先を該当箇所にあてて測ります。

ただ、たしかに少々危険なので、73ページの写真2.35の「みのむしクリップ(ワニ口クリップとも言います)」を2本使ってやった方が安全ですね。手順は以下です。

1)アンプの電源は切っておきます。コンセントも抜いてください。
2)みのむしクリップの片方でテスター棒の黒をはさみ、もう片方でアルミシャーシーをはさみます。
3)そして、もう一本のみのむしクリップを用意し、こんどはテスター棒の赤をはさみ、もう片方を回路の該当箇所にはさみます。

 

Q3-12).3)については、テスターの黒の、みのむしクリップは最初から最後までシャーシのアルミ部分につなぎっぱなしの状態で良いのでしょうか?

A3-1はい、黒の側はシャーシーにつなぎっぱなしです

 Q3-2・その状態で赤のテスターのみのむしクリップを該当箇所にはさみ計測するということでしょうか?

A3-2はい、その通りです。


4)その状態で、金属部分が変な風に接触していないか目視確認します。
5)大丈夫だったらコンセントを入れて、電源スイッチを入れて、テスターの値を読み取ります。
6)読み取ったら、電源を切ってコンセントを抜いて、2分ほどそのまま待ちます(電気が放電するのを待つ)。
7)次の測定個所にみのむしクリップをつなぎかえて、同じことをします。

 

Q3-3・

6)、7)については、「一か所」読み取るごとにコンセントを抜き2分ほどそのまま待つと言うことで良いですね?

A3-3その通りです。ただし、これは完全に安全のための手で、一番簡単で早いのは、電源は入れっぱなしにして、赤いテスター棒の先を該当箇所に次々と当ててすべてその値を読み取ることです。

 

Q3-4・

連続して計測しては「いけない」と言うことは危険を伴う?もしくは、正しい計測が出来ないということでしょうか?

A3-4・前述どおり、「いけない」のではなく、安全を考えての手順です。正しい計測はどのようにやってもできますので、大丈夫です。ただし、電源を入れてから真空管が温まる10秒から20秒の間は値が変動するので、電源を入れてから30秒ぐらい待ってから測定した方が値が正確です。

 

Q4・

P.76_の直流電圧測定ですが、本には280Vから300V出ていれば正常です、と記載されていますが、私が測定してみるとB1276VB2270Vしかありません。

配線の点検もしたのですが、問題はないようです。

どうすれば良いでしょうか?

A4・

B1276VB2270V」であれば問題ありません。どれぐらい違うと異常か、というのはケースバイケースではっきりは言えないのですが、だいたいプラスマイナス1割程度が目安です。280Vから300Vというのは「だいたい」の値で、290Vを中心とすると、プラスマイナス1割だと「261Vから319V」になります。この中に入っているので、大丈夫です。だいたいプラスマイナス1割を超えると、あれ?どっか変かもな、と思う感じです。


Q4-1・

完成させたアンプで計測してみました。B1212VB2182V。ちょっと異常な気がします。テスターもデジタルル式とアナログ対数表示のものと二台で計測しましたが、以前に計測した時は問題なかったように記憶しています。音はしっかりと出ていますが。

A4-1・

 P.76での値は通電していないときの値で、完成したアンプを測ったのは真空管に通電している状態なので電圧が低く出るのです。

 

Q5・

超初心者の真空管アンプのP.78_4)増幅部について教えて下さい。

三行目、普通、終段から初段に向かってやっていきます。と書かれていますが、どこが終段、初段なのかが分かりません。

A5

まず、初段、終段に明確な定義はなく、だいたいの話です。増幅回路の場合、信号が入って出てゆくとき、最初の入って行くところを初段、出てゆくところを終段と呼ぶことが多いです。真ん中を「中段」と言ったりします。

 

Q5-1・段と言う文字が使われているのでどこからどこまでと言う【区切り】があるのでしょか?

(回路図に前段・後段がありますが、これは何となく分かります、図面が区切られていますから。これと似たような解釈でしょうか?)

 

A5-1・明快な区切りは無いのですが、普通、「初段」と言うと、回路図で信号が最初に入る真空管の回路部分を指し、「終段」は出力トランスにつながっている真空管の回路部分を指します。区切りは、初段と2段目であれば、結合コンデンサの部分が「あえて言えば」区切りになります。たとえばP.36の図2.1では、左側の三極管を中心にした回路が「初段」、右側の5極管を中心にした回路が「終段」です。0.22μの結合コンデンサが区切りです。結合コンデンサ自体が初段に属するのか終段に属するのかは決まってません。また、この回路の場合、「中段」はありません。

 

Q5-2・終段、初段の言葉は、このページに初めて出てきましたが増幅部のみにあるのでしょうか?

(索引には載ってませんので、他の個所にあるか不明、逆引き出来ません。)

 

A5-2・はい、初段、終段は普通は増幅回路に使う言葉で、たとえば電源回路などにはあまり使われません。ただ、そう決まっているわけではないです。言ってみれば、初段は「一番前」、終段は「一番後ろ」ていどの意味です(信号が入って出てゆく時の、前の方と後の方)

 

Q5-3・文面から推察すると、チェックしながら配線する時の基本原則のように記載されていますが、チェックしながら、行うのは増幅部に限らず、AC電源回り・B電源部もチェックしながら配線していますが、その際に初段・終段は書かれておらず、何も考えずに、配線していましたが元々、それらの各箇所にあるものでしょうか?

ネットで調べたのですが、やはり常識的なことらしく初段・終段の文字自体はネット上では溢れかえっており、幾らでも出てきますが、「その意味」が記載されているものは見当たりませんでした。

 

A5-3・チェックするときの基本原則というのは、実はあまり明快にあるわけではなく、基本、何も考えずに配線しても大丈夫です。ただ、電源回路回りは、AC100VからB電源へ進む方向に配線しながらチェックすることをお勧めしてます。これをB電源の方からAC100Vに向かって逆向きに配線すると途中でチェックできませんよね?

電源が全部組み上がってからしかチェックできず、それではリスクが高いので、AC100Vから順にやります。

 

増幅回路の場合、逆に終段から初段に向かって配線することが多かったりしますが、これは、もう、本人の好みの問題かもしれません。初段から終段に向かって配線しても構いません。仮に途中でチェックしながらやるとしても、どっち向きでやっても、チェックできないことはありません。回路規模が大きいときはチェックしながらする時もありますが、本書のアンプのように小さな回路は、初段も終段も関係なく一気に全部配線してしまうのが普通だと思います。


 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                ー以上ー